【レビュー】テラフォーミング・マーズ:ユートピア&キンメリア(拡張) / Terraforming Mars: Utopia Planitia
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どんな拡張?
両面ボード1枚に、北方の溶岩平原ユートピア平原(Utopia Planitia)と、南半球のクレーター密集高地テラ・キンメリア(Terra Cimmeria)を収録するマップ拡張。それぞれ配置ボーナスや海洋予定地の構成が変わり、称号/褒章のセットも専用のものに差し替わります。置き換えるだけで、開拓の“勝ち筋”が大きく変化します。
2つのマップの特徴(ルール上の違い)
ユートピア平原(Utopia Planitia)
* 地形の味付け:北方の溶岩平原で、植物ボーナスが赤道から離れた位置に多い配置。上部には地熱発電(Power)に紐づくような設定の地熱適地が並ぶのが特徴。さらにバイキング2/ビーグル2の着陸地点に入植すると追加で手札2枚獲得。
* カードとの相性:ノクティス地域と火山が存在しないため、《ノクティス市》や火山指定(例:《溶岩流》)の配置制限が解除され、未予約地ならどこでも置けます。
* 専用称号/褒章(抜粋):
* 称号:マネージャー(特殊タイル3枚)/パイオニア(コロニー3つ)/研究者(科学タグ4) など。
* 褒章:郊外居住者(外周マスのタイル最多)/投資家(地球タグ最多)/造園家(植物産出最高)/大都市家(都市タイル最多) など。
テラ・キンメリア(Terra Cimmeria)
* 地形の味付け:南半球の高地帯で、鋼材・チタンが豊富というテーマ。海洋予定地はマップ端沿いに偏在。《Curiosity》が探査したゲール・クレーター周辺にタイルを置くと、(コロニーズ使用時)5M€でコロニー設置できる特別マスあり。
* カードとの相性:ノクティス地域はなく《ノクティス市》の制限は解除。一方で火山地形が4か所(アルボル・トーラス/ティレヌス山/ハドリアクス山/アポリナリス山)あり、火山指定カードはそこに置けます。
* 専用称号/褒章(抜粋):
* 称号:惑星地質学者(地球2+金星2+木星2タグ)/建築家(都市タグ3)/沿岸警備(海隣接3タイル) など。
* 褒章:電気技師(電力タグ最多)/創設者(特殊タイル隣接最多)/富豪(M€以外の総産出最高) など。
日本語版の告知でも、ユートピア=植物・地熱が目立つ設計、キンメリア=海洋が端配置・コロニー割引マスありと整理されています(発売:2024年12月19日)。
セットアップ/導入
基本はベースボードの差し替えのみ。称号・褒章はマップ固有セットへ置き換わります。コロニーズ併用時は、記載のコロニー関連マス/称号が有効化されます(不使用なら無視してOK)。
システム解説(ゲーム体験がどう変わる?)
1) 称号・褒章の総入れ替えが“狙い”を動かす
ユートピアは**「外周タイル」や「低コスト大量プレイ」など、面を広げる・小粒を積む指標が褒章に採用され、植物産出や都市数も強く意識されます。キンメリアは「特殊タイル隣接」「電力タグ」「産出総量」**など、インフラ寄りの評価軸が増加。序盤から“どの指標を積むか”の設計がより重要になります。
2) カードとの相性:ノクティス/火山の扱い
両面ともノクティス地域が無いため《ノクティス市》の縛りは消滅。ユートピアは火山自体が無いので火山指定カードまで自由配置に。キンメリアは逆に火山が4か所あり、該当カードの“置き先”が明確です。細かな指定カードの評価が地図で変わるのが好手。
3) 地形テーマ:ユートピア=植物と地熱/キンメリア=金属と沿岸
ユートピアは植物ボーナスの分布と地熱適地が噛み合い、植物産出・緑地計画+電力タグを絡めた運用が伸びやすい。キンメリアは鋼材/チタンの集積と海沿い配置(称号「沿岸警備」等)を見据えた都市・特殊タイルの布石が効いてきます。
プレイ感想
* “マップでメタが動く”実感が強い。 ユートピアでは植物・低コスト大量展開がリターンを生みやすく、《ノクティス市》自由化の影響で都市の差し合いも活性化。キンメリアは金属経済→プロジェクト加速が効き、海沿い・特殊隣接の取り合いが中盤の主戦場になります。
* 目標の方向性が明確で“計画が立てやすい”。 専用の称号/褒章が序盤のToDoを提示してくれるため、初見でも迷いにくい。一方で、同じ企業でもボードで最適解が変わるため、企業×地図の相性研究が楽しい。
* カード指定の裁きが爽快。 《ノクティス市》《溶岩流》のような**“置き先を選ばせる”裁定がプレイングの自由度と気持ちよさ**につながります(特にユートピアで顕著)。
* 多人数ほど競り合いが濃い。 外周/都市/特殊隣接など“重ねにくい”評価項目が増えるぶん、先着・位置取りの緊張感が上がります。
はじめてでも勝ち筋が見える“遊び方のコツ”
ユートピアでの基本線
* 植物×電力の二軸を作る:植物産出の底上げとPowerタグ確保。称号「研究者(科学4)」や「冶金技師(鋼+チタン産出合計6)」も中盤の寄り道先として相性良し。
* 外周を意識して面を押さえる:褒章「郊外居住者(外周最多)」ケアで外縁の取り合いに早手を。都市数も評価対象なので、緑地との配置順を計画。
* 指定カードを“解放”として使う:《ノクティス市》《溶岩流》などの自由配置化を転換点にし、都市・特殊でマス価値を跳ね上げる。
キンメリアでの基本線
* 金属経済を太くする:鋼材/チタンの稼ぎ口を確保し、高コスト建設やタグ要求を力押し。称号「建築家(都市タグ3)」も視野に。
* 海沿いルートを早めに確保:称号「沿岸警備(海隣接3)」や褒章「創設者(特殊隣接最多)」に繋がる岸辺ラインを先着で確保。
* コロニー割引マスを逃さない(併用時):ゲール周辺に5M€のコロニー設置—交易主軸の企業なら中盤の燃料になります。
こんな人におすすめ/合わないかも
* おすすめ:
* ベースの勝ち筋が固定化してきた卓で**新しい“目標設計”**を楽しみたい
* 企業×地図の相性研究や称号レースの緊張感が好き
* 合わないかも:
* マップでカード評価が変動するのを煩雑に感じる
* 位置取りの先着争い(外周・海沿い・特殊隣接)が苦手
総評
差し替え1枚で“狙い”が刷新され、称号/褒章の設計と配置環境が連動してゲームの地力が伸びる拡張。
ユートピアは植物・地熱の面展開、キンメリアは金属と沿岸ラインの読み合いが際立ち、企業選択~初手キープの段階からボード別の正解を考えるのが楽しい。導入は簡単で、リプレイ性のブースターとして非常に優秀です。
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どんな拡張?
両面ボード1枚に、北方の溶岩平原ユートピア平原(Utopia Planitia)と、南半球のクレーター密集高地テラ・キンメリア(Terra Cimmeria)を収録するマップ拡張。それぞれ配置ボーナスや海洋予定地の構成が変わり、称号/褒章のセットも専用のものに差し替わります。置き換えるだけで、開拓の“勝ち筋”が大きく変化します。
2つのマップの特徴(ルール上の違い)
ユートピア平原(Utopia Planitia)
* 地形の味付け:北方の溶岩平原で、植物ボーナスが赤道から離れた位置に多い配置。上部には地熱発電(Power)に紐づくような設定の地熱適地が並ぶのが特徴。さらにバイキング2/ビーグル2の着陸地点に入植すると追加で手札2枚獲得。
* カードとの相性:ノクティス地域と火山が存在しないため、《ノクティス市》や火山指定(例:《溶岩流》)の配置制限が解除され、未予約地ならどこでも置けます。
* 専用称号/褒章(抜粋):
* 称号:マネージャー(特殊タイル3枚)/パイオニア(コロニー3つ)/研究者(科学タグ4) など。
* 褒章:郊外居住者(外周マスのタイル最多)/投資家(地球タグ最多)/造園家(植物産出最高)/大都市家(都市タイル最多) など。
テラ・キンメリア(Terra Cimmeria)
* 地形の味付け:南半球の高地帯で、鋼材・チタンが豊富というテーマ。海洋予定地はマップ端沿いに偏在。《Curiosity》が探査したゲール・クレーター周辺にタイルを置くと、(コロニーズ使用時)5M€でコロニー設置できる特別マスあり。
* カードとの相性:ノクティス地域はなく《ノクティス市》の制限は解除。一方で火山地形が4か所(アルボル・トーラス/ティレヌス山/ハドリアクス山/アポリナリス山)あり、火山指定カードはそこに置けます。
* 専用称号/褒章(抜粋):
* 称号:惑星地質学者(地球2+金星2+木星2タグ)/建築家(都市タグ3)/沿岸警備(海隣接3タイル) など。
* 褒章:電気技師(電力タグ最多)/創設者(特殊タイル隣接最多)/富豪(M€以外の総産出最高) など。
日本語版の告知でも、ユートピア=植物・地熱が目立つ設計、キンメリア=海洋が端配置・コロニー割引マスありと整理されています(発売:2024年12月19日)。
セットアップ/導入
基本はベースボードの差し替えのみ。称号・褒章はマップ固有セットへ置き換わります。コロニーズ併用時は、記載のコロニー関連マス/称号が有効化されます(不使用なら無視してOK)。
システム解説(ゲーム体験がどう変わる?)
1) 称号・褒章の総入れ替えが“狙い”を動かす
ユートピアは**「外周タイル」や「低コスト大量プレイ」など、面を広げる・小粒を積む指標が褒章に採用され、植物産出や都市数も強く意識されます。キンメリアは「特殊タイル隣接」「電力タグ」「産出総量」**など、インフラ寄りの評価軸が増加。序盤から“どの指標を積むか”の設計がより重要になります。
2) カードとの相性:ノクティス/火山の扱い
両面ともノクティス地域が無いため《ノクティス市》の縛りは消滅。ユートピアは火山自体が無いので火山指定カードまで自由配置に。キンメリアは逆に火山が4か所あり、該当カードの“置き先”が明確です。細かな指定カードの評価が地図で変わるのが好手。
3) 地形テーマ:ユートピア=植物と地熱/キンメリア=金属と沿岸
ユートピアは植物ボーナスの分布と地熱適地が噛み合い、植物産出・緑地計画+電力タグを絡めた運用が伸びやすい。キンメリアは鋼材/チタンの集積と海沿い配置(称号「沿岸警備」等)を見据えた都市・特殊タイルの布石が効いてきます。
プレイ感想
* “マップでメタが動く”実感が強い。 ユートピアでは植物・低コスト大量展開がリターンを生みやすく、《ノクティス市》自由化の影響で都市の差し合いも活性化。キンメリアは金属経済→プロジェクト加速が効き、海沿い・特殊隣接の取り合いが中盤の主戦場になります。
* 目標の方向性が明確で“計画が立てやすい”。 専用の称号/褒章が序盤のToDoを提示してくれるため、初見でも迷いにくい。一方で、同じ企業でもボードで最適解が変わるため、企業×地図の相性研究が楽しい。
* カード指定の裁きが爽快。 《ノクティス市》《溶岩流》のような**“置き先を選ばせる”裁定がプレイングの自由度と気持ちよさ**につながります(特にユートピアで顕著)。
* 多人数ほど競り合いが濃い。 外周/都市/特殊隣接など“重ねにくい”評価項目が増えるぶん、先着・位置取りの緊張感が上がります。
はじめてでも勝ち筋が見える“遊び方のコツ”
ユートピアでの基本線
* 植物×電力の二軸を作る:植物産出の底上げとPowerタグ確保。称号「研究者(科学4)」や「冶金技師(鋼+チタン産出合計6)」も中盤の寄り道先として相性良し。
* 外周を意識して面を押さえる:褒章「郊外居住者(外周最多)」ケアで外縁の取り合いに早手を。都市数も評価対象なので、緑地との配置順を計画。
* 指定カードを“解放”として使う:《ノクティス市》《溶岩流》などの自由配置化を転換点にし、都市・特殊でマス価値を跳ね上げる。
キンメリアでの基本線
* 金属経済を太くする:鋼材/チタンの稼ぎ口を確保し、高コスト建設やタグ要求を力押し。称号「建築家(都市タグ3)」も視野に。
* 海沿いルートを早めに確保:称号「沿岸警備(海隣接3)」や褒章「創設者(特殊隣接最多)」に繋がる岸辺ラインを先着で確保。
* コロニー割引マスを逃さない(併用時):ゲール周辺に5M€のコロニー設置—交易主軸の企業なら中盤の燃料になります。
こんな人におすすめ/合わないかも
* おすすめ:
* ベースの勝ち筋が固定化してきた卓で**新しい“目標設計”**を楽しみたい
* 企業×地図の相性研究や称号レースの緊張感が好き
* 合わないかも:
* マップでカード評価が変動するのを煩雑に感じる
* 位置取りの先着争い(外周・海沿い・特殊隣接)が苦手
総評
差し替え1枚で“狙い”が刷新され、称号/褒章の設計と配置環境が連動してゲームの地力が伸びる拡張。
ユートピアは植物・地熱の面展開、キンメリアは金属と沿岸ラインの読み合いが際立ち、企業選択~初手キープの段階からボード別の正解を考えるのが楽しい。導入は簡単で、リプレイ性のブースターとして非常に優秀です。
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テラフォーミング・マーズ:ユートピア&キンメリア(拡張)の関連コンテンツ
* テラフォーミング・マーズ:ユートピア&キンメリア(拡張)のトップ
* イメージ画像(2)
* 遊べるカフェ/スペース(29)
* レビュー(1)
* ルール説明(0)
* 戦略・コツ(0)
* リプレイ日記(0)
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