【レビュー】マウンテン・キング / In the Hall of the Mountain King

2~5人用
75~90分 
12歳~


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『マウンテン・キング(In the Hall of the Mountain King)』は、追放されていたトロールたちが再び山に戻り、地下王国を再建していくという独特のファンタジー世界観を持つ、リソース管理とパズル要素が融合した中~重量級ボードゲームである。プレイヤーは自分のトロール部族を率いて、崩れた王国の奥深くへとトンネルを掘り進め、資源を集め、彫像を運び、王の玉座の再興を目指す。




ゲームの核となるシステムは、なんといっても**「トロールピラミッド」と呼ばれるリクルート構造**である。プレイヤーはゲーム中、トロールカードを上段から下段にピラミッド状に配置していき、それぞれのトロールが提供する資源を獲得する。このとき、カードを追加するとその下にあるトロールたちも再活性化され、連鎖的にリソースが入手できるコンボ感が非常に爽快だ。ただし、手に入る資源の種類や数には限りがあり、欲しい資源を得るにはトロールの組み合わせとタイミングを見極める必要がある。




もう一つの柱が、マップ上でのトンネル建設と彫像の運搬である。六角形タイルを組み合わせてトンネルを掘り進め、神殿や鉱脈、得点源である彫像を目指す。彫像は運搬する方向や距離によって得点が異なるため、効率よく動線を確保する必要がある。マップ上の空間パズル要素とリソースの使いどころが絶妙に絡み合っており、計画性が要求される緻密な構築ゲームに仕上がっている。




プレイ感としては、「やることが多くて悩ましいが、無駄な要素は一切ない」というのが第一印象。トロールのリクルートによる資源生成の爆発力と、それをどこにどう使うかという構築フェーズが自然につながっており、毎ターンの選択がしっかりとプレイヤーの成果に反映される。また、トンネルを引くスペースは限られており、他プレイヤーとルートが交錯することもあるため、適度なインタラクションも存在する。特に彫像をどの神殿に、どの方向から運ぶかといった最適化のパズルは、中盤以降のゲームに緊張感をもたらす。




ゲームの物理的な魅力も特筆すべき点だ。立体的な山を模したゲームボード、美麗なトロールカード、ずっしりとした彫像コマなど、コンポーネントの豪華さとテーマ性が高い没入感を生んでいる。ルールはやや複雑に見えるが、一度プレイすればその構造美が理解でき、リプレイするたびに戦略の幅が広がっていく。




総じて『マウンテン・キング』は、資源の連鎖獲得、空間構築、ルート最適化という複数の要素を高い次元で融合させた、戦略的かつ美しいボードゲームである。初回プレイでは圧倒されるかもしれないが、回を重ねるごとに深みが増す“クセになる”作品。ユーロゲームとテーマ性の両方を楽しみたい中級者以上のプレイヤーに、強くおすすめしたい一作である。
ボドゲーマで購入可能


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