【レビュー】項羽と劉邦 楚漢大戦 / Chu Han

2~2人用
45~45分 
14歳~


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『項羽と劉邦 楚漢大戦』は、中国史上屈指の英雄である項羽と劉邦による「楚漢戦争」を描いた、重厚な戦略級ウォーゲームです。この作品は、古代中国の混迷と動乱の時代を、地図上でのダイナミックな軍勢運用や外交、補給、そして激しい戦闘を通じてリアルに再現しています。




まず、最大の魅力はマルチレイヤーな戦略性にあります。プレイヤーは楚軍(項羽)と漢軍(劉邦)に分かれ、それぞれが異なる初期状況や地政学的な課題、指導者としての能力を活かしながら勝利条件を目指します。項羽は最強の戦力を持ちつつも包囲されやすく、迅速な決断と攻勢が必要。一方の劉邦は最初こそ劣勢ですが、柔軟な同盟や策謀、領土拡大を活かしてじわじわと勢力を伸ばし、逆転のチャンスを狙います。両陣営とも、ただ兵力をぶつけ合うだけではなく、「どこで補給線を維持するか」「どのタイミングで誰と同盟するか」「民心をどう集めるか」といった、複数の軸で戦略を練る必要があり、毎ゲーム異なる歴史ドラマが生まれる仕組みです。




システム面でも非常に工夫されており、各ラウンドで配分される“命令ポイント”の使い方、武将の移動力や戦闘能力、特殊イベントカードなど、管理すべき要素が多い一方で、インターフェースは直感的でプレイアビリティも高い印象です。補給線ルールや士気の概念、城塞・地形効果なども絶妙に効いており、プレイヤー同士の心理戦や裏のかき合いが熱くなります。




実際にプレイすると、中盤以降の補給戦や包囲網の張り合い、裏切りイベントの発動など、息を呑むような展開が頻発し、「次の一手」が勝敗に直結する緊張感があります。項羽が華麗な電撃戦で一気に大陸を制圧したり、劉邦が計略と粘り強さで徐々に逆転していく様子は、盤面上での戦いを超えて「物語」としても大きな魅力です。また、ランダムイベントや武将の個性を活かしたアクションによって、毎回違う歴史が紡がれるため、何度もプレイしたくなるリプレイ性の高さも際立っています。




特に印象に残るのは、中国戦国の地理・文化・英雄譚がしっかり再現されている点です。登場する多くの武将たちには個別の能力や特徴があり、彼らの活躍がゲームの展開に色濃く影響します。たとえば、韓信の機動戦や張良の策謀、項羽の圧倒的な突撃力など、歴史ファンなら思わずニヤリとする要素も随所に盛り込まれています。




総じて『項羽と劉邦 楚漢大戦』は、重厚な歴史ウォーゲームを求める人や、中国史のダイナミズムを体感したい人に特におすすめの一作です。複雑な戦略を考え抜き、激しい攻防と裏切りの中で「自分だけの楚漢戦争」を体験できる、満足度の非常に高いゲームだと感じました。初回はルール量に圧倒されるかもしれませんが、慣れてくると戦略の幅と歴史再現性の高さにどっぷり浸れる傑作です。



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