【レビュー】トリケーリオン / Trickerion: Legends of Illusion
2~4人用
60~180分
14歳~
---
イリュージョニストの公演をテーマとした本作は、新拡張の発表に合わせてついに日本語版が発売されるとのことで、以前2度ほどプレイした感想を書いていこうと思う。
ゲームシステムは固定ラウンド制のワーカープレイスメント。市街地、市場、工房、劇場と4種のアクションスペースがあり、それぞれに実行可能なアクションが複数用意されている。配置するワーカーとアクションスペースにはそれぞれアクションポイントが割り振られており、1手番につき1つのワーカーのアクションを、そのアクションポイントを使い切るまで実行可能なアクションに割り振って行うことができる。
これ自体はそれほど珍しいシステムではないが、どのワーカーにどのエリアのアクションを行わせるかというのを事前に全員で一斉にブラインドプロットを行う点が最大の特徴と言えるだろう。
プロット型のワーカープレイスメントといえばBusやEmpires: Age of Discoveryなどの配置フェーズと実行フェーズが分かれているものを連想するが、本作はプロットを秘密裏に行うという点が大きく異なる。つまり手番順によってはプロットしたアクションが事実上実行不可能なことも起こり得るし、最初のワーカーで何かを得てそれをもとに2番目のワーカーからのアクションを組み立てようとした時に、最初のワーカーでそれが得られず計画が崩壊するようなこともありうる。手番順が決定してからのプロットなので、安全策を講じていればそのようなことは起きない可能性は高いが、冒険する必要がある時はそれなりに注意が必要だ。先手番の有利さは通常のワーカープレイスメントより強めかもしれない。
ではその手番順はどう決まるのかと言えば、その時点での勝利点の低い順に手番が早くなる。このシステムは下手をしたら若干の不公平感を生むし、また序盤は「しゃがむ」ことを強いられてるような感じを受ける方もいるかもしれない。だが本作の場合は勝利点ごとにプレイヤーのレベルが3段階に分けられ、高レベルになると事実上アンロックされるトリックなどポジティブな要素があるため、序盤からある程度積極的に得点していく必要があり、そのあたりにゲームのバランスを取る技が垣間見える。
ワーカーの配置とアクションはプロットを行った後でプレイ順に行われるため、自分のワーカーの行き先の確保や効率を考えるためには全てのプレイヤーのプロットを確認しながら行うことになり、否が応でもインタラクションが生まれてくる。これはプレイ中楽しく感じられる部分のひとつとつとして大きい要素だと思う。
このプレイ時間のゲームとしては運要素が比較的大きい点もある意味このゲームの特徴のひとつと言えるかもしれない。市街地のアクションはダイスによって得られる効果が変わるし、拡張の裏路地カードは強力なアクションカードがガチャで得られるといった感じだ。それでいて毎ラウンド発生するワーカーへの給与支払いや市場に登場するリソースの先を見越した入れ替えなど繊細なリソース管理や駆け引きも重要で、ゲーム全体はそれらが織り交ぜられた構成となっている。
このような構成は中途半端に感じる人もいるだろうし、好みの分かれるところでもあるだろう。だがプレイしてみると雑な印象はなく、むしろ丁寧に開発されたゲームという印象を受けた。重厚な戦略ゲームという感じではないが、頭を捻りながらも独特のインタラクション、駆け引きと運要素に一喜一憂できる、体験の楽しいゲームだった。ルールは直感的ではないだけで複雑さはそれほどでもなく、見通しも良いので(インスト者がルールをしっかりと把握できていれば)比較的遊び易い部類に入ると思う。
ただしプレイ時間は長めで、初回はルール説明込みで5時間程度は覚悟しておいた方が良いだろう。
●おまけ
基本ゲームに付属している(と思われる)、裏路地拡張とマジシャンパワー拡張は導入した方が断然面白い。特に裏路地は初回から導入しても問題ないので是非お試しを。
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トリケーリオンの関連コンテンツ
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* イメージ画像(4)
* 遊べるカフェ/スペース(8)
* レビュー(5)
* ルール説明(1)
* 戦略・コツ(0)
* リプレイ日記(0)
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http://dlvr.it/TKNZ2y
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14歳~
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イリュージョニストの公演をテーマとした本作は、新拡張の発表に合わせてついに日本語版が発売されるとのことで、以前2度ほどプレイした感想を書いていこうと思う。
ゲームシステムは固定ラウンド制のワーカープレイスメント。市街地、市場、工房、劇場と4種のアクションスペースがあり、それぞれに実行可能なアクションが複数用意されている。配置するワーカーとアクションスペースにはそれぞれアクションポイントが割り振られており、1手番につき1つのワーカーのアクションを、そのアクションポイントを使い切るまで実行可能なアクションに割り振って行うことができる。
これ自体はそれほど珍しいシステムではないが、どのワーカーにどのエリアのアクションを行わせるかというのを事前に全員で一斉にブラインドプロットを行う点が最大の特徴と言えるだろう。
プロット型のワーカープレイスメントといえばBusやEmpires: Age of Discoveryなどの配置フェーズと実行フェーズが分かれているものを連想するが、本作はプロットを秘密裏に行うという点が大きく異なる。つまり手番順によってはプロットしたアクションが事実上実行不可能なことも起こり得るし、最初のワーカーで何かを得てそれをもとに2番目のワーカーからのアクションを組み立てようとした時に、最初のワーカーでそれが得られず計画が崩壊するようなこともありうる。手番順が決定してからのプロットなので、安全策を講じていればそのようなことは起きない可能性は高いが、冒険する必要がある時はそれなりに注意が必要だ。先手番の有利さは通常のワーカープレイスメントより強めかもしれない。
ではその手番順はどう決まるのかと言えば、その時点での勝利点の低い順に手番が早くなる。このシステムは下手をしたら若干の不公平感を生むし、また序盤は「しゃがむ」ことを強いられてるような感じを受ける方もいるかもしれない。だが本作の場合は勝利点ごとにプレイヤーのレベルが3段階に分けられ、高レベルになると事実上アンロックされるトリックなどポジティブな要素があるため、序盤からある程度積極的に得点していく必要があり、そのあたりにゲームのバランスを取る技が垣間見える。
ワーカーの配置とアクションはプロットを行った後でプレイ順に行われるため、自分のワーカーの行き先の確保や効率を考えるためには全てのプレイヤーのプロットを確認しながら行うことになり、否が応でもインタラクションが生まれてくる。これはプレイ中楽しく感じられる部分のひとつとつとして大きい要素だと思う。
このプレイ時間のゲームとしては運要素が比較的大きい点もある意味このゲームの特徴のひとつと言えるかもしれない。市街地のアクションはダイスによって得られる効果が変わるし、拡張の裏路地カードは強力なアクションカードがガチャで得られるといった感じだ。それでいて毎ラウンド発生するワーカーへの給与支払いや市場に登場するリソースの先を見越した入れ替えなど繊細なリソース管理や駆け引きも重要で、ゲーム全体はそれらが織り交ぜられた構成となっている。
このような構成は中途半端に感じる人もいるだろうし、好みの分かれるところでもあるだろう。だがプレイしてみると雑な印象はなく、むしろ丁寧に開発されたゲームという印象を受けた。重厚な戦略ゲームという感じではないが、頭を捻りながらも独特のインタラクション、駆け引きと運要素に一喜一憂できる、体験の楽しいゲームだった。ルールは直感的ではないだけで複雑さはそれほどでもなく、見通しも良いので(インスト者がルールをしっかりと把握できていれば)比較的遊び易い部類に入ると思う。
ただしプレイ時間は長めで、初回はルール説明込みで5時間程度は覚悟しておいた方が良いだろう。
●おまけ
基本ゲームに付属している(と思われる)、裏路地拡張とマジシャンパワー拡張は導入した方が断然面白い。特に裏路地は初回から導入しても問題ないので是非お試しを。
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