【レビュー】カーソン・シティー / Carson City
2~5人用
90~110分
12歳~
---
2009年に、『トロワ』『ギンコポリス』のデザイナーのザビエル・ジョルジュがリリースした西部劇モチーフの土地争奪ゲームです。
2009〜2010年に様々なゲーム賞にノミネートされましたが残念ながら受賞には至ってないようです(たぶん)。
5人までプレイできるやや上級者向けのゲームなので、西部劇好きの私としては迷わず購入したものの、なかなかチャンスが無く、最近になってようやくプレイに至りました。(拡張セットも買ったのにそっちはまだ導入できていません。)
ちなみに《Carson city》とはアメリカ西部ネバダ州の実在の街です。
◾️土地を開発してお金を稼ぐのが目的!
ゲームの目的は、未開発だったカーソンの町を開発するために土地を購入して、それを実効支配してお金を稼ぐ事です。たくさん土地を手に入れたから勝てる、というゲームではありません。
何となく西部の荒くれガンマンたちが土地を争って撃ち合い、土地を奪い合うゲームだと思っていましたが違いましたね(笑)
もう少しおとなしい《都市開発》と《経済発展》のゲームでした。
◾️ガンマンを派遣して仕事をさせよう!
ゲームの基本はいわゆる《ワーカープレイスメント》というタイプで、 自分の持つワーカー(労働者)駒を、色々な役割に早い者勝ちで派遣していってその効果を得ていくスタイルです。
もちろんこのワーカー駒は手下のガンマンたちですね。
そしてこのゲームの特徴ですが、ちょっと独特な部分が2つあるのです!
①派遣先は《アクション》と《土地》の2パターンある。
たいていのゲームはワーカー駒を置いて《アクション》を早取りするか、《土地やエリア》を確保するかどちらかですが、このゲームは何と両方やります。
《拳銃》を確保したり、《道路》を購入したり、《建物》を買ったり、といった《アクション》はたくさんあり、自分の計画をよく考えてそこに手下のワーカー(ガンマン)を派遣していきます。
ところがそれだけではダメなんですよ。広大な土地マップがあって、最初は空き地だらけなんですが(西部開拓時代ですから)、そこにワーカー(ガンマン)を派遣して『ここは俺の土地だ!』と宣言しなければなりません。
つまり、圧倒的にワーカー(ガンマン)駒の数が足りないので、何を優先してどう展開するか、かなり計画性を要求されます。
②ワーカー駒が同じ場所にかぶったら決闘で解決!
ほとんどの《ワーカープレイスメント方式》は先に駒を置いたほうがそのアクションの優先権を得ます。ところがこのゲームは、あとから同じアクションに割り込んでいいんです!同じアクションに重複したら解決方法は何と《決闘》!(これこそ西部劇!)
判定方法は、《保有している拳銃(リボルバー)の数》+《使ってないで残してあるガンマンの人数》+《サイコロ1個》です!
サイコロの要素があるので絶対勝てるとは限らないところが緊迫して面白い。
また、使わないでガンマンを残しておく意味があるので、その選択も悩ましい。
西部っぽい仕掛けだと思いました。(ちなみに運の要素を減らす選択ルールもありますよ)
◾️町の多彩な協力者たち
町の発展に住民の協力は欠かせませんよね。
というわけでこのゲーム、ラウンド最初に《協力者》を1人選んで味方に付けます。
《保安官》《銀行家》《用心棒》など全部で7人いて、どれもいい効果を持っており、これもまた悩ましい。
他のプレイヤーと同じ人は選べません。(ここは決闘できないのですね。穏やかに有力者を味方に付けましょう。)
これがけっこう特殊な効果を持っていて、さらに行動順や残金の処理もこれによって変動するので誰を選ぶかとても悩ましい。
というわけで、ここでもけっこう頭を使い駆け引きを考えなければならないのです。
◾️最後はお金で勝者が決まる!
いろいろ説明しましたが、結局最後はお金です。
土地を確保して、建物を建てていくと、その周りの建物の並びかたで一定の収入が入ります。町が発展してくるとどんどん収入が増えてくるわけです。
うまく建てれば高い収入になりますが、みんなの思惑がからみ合うのでなかなかうまくはいきません。
ここの計算はちょっと複雑でめんどくさいですが、いちおう分かりやすくする工夫はされていて、建物タイルを回していくとどちらを向いているかで今いくらの収入があるかを表示する事ができるのです。(分かりやすくていいんですが、いちいちあれこれ向きを変えなければいけないのがちょっと手間)
↓左の《銀行》は、まわり8マスに《家》か《炭鉱》があるとそれぞれ3ドルの収入。こうやって置くと今15ドルの収入だとみんなにわかる。(下にある赤いタイルはその土地の所有者を表します)あくまでも表示の例ね(今まわりに家はない)
右の《酒場》なら、まわり8マスに《家》がえるとそれぞれ5ドルの収入。こうやって置くと今10ドルの収入だとみんなにわかる。
という仕掛け。まあ慣れればどうって事ないですが、初心者には手伝ってあげないとツラいと思います。(1人の若手女性プレイヤーなどは、この処理を完全に私に丸投げしてました。まあいいんですけどね、苦笑)
◾️とても面白いですが、とても頭を使うゲームでした。
《協力者》の選択に悩み、ワーカー(ガンマン)の置き場所に悩み、収入額をいろいろ計算するので、考えることはかなり多いゲームだという印象です。
ルールを読んで、たったの4ラウンドしかないと知ったときは「短いなぁ」と思いましたが、結構時間がかかります。
公称では《90分》とありますが、5人でやってみて全然そんな時間内では終わりませんでした。
詳しいルールの説明に30分はかかり、ゲーム自体に3時間ほどかかりました。(どうしても皆長考になってしまいます)
でも理解して進めるとゲーム自体はとても盛り上がり、満足感たっぷりの作品でした。またやりたいです。
ただし、ジリジリと点差が付き、挽回は難しいゲームなので、そこは好みが別れるかもしれません。
ぜひぜひベテランメンバーを集めてチャレンジして欲しいと思います。
今度は拡張を入れてやってみようっと。
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* ルール説明(1)
* 戦略・コツ(0)
* リプレイ日記(0)
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90~110分
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2009年に、『トロワ』『ギンコポリス』のデザイナーのザビエル・ジョルジュがリリースした西部劇モチーフの土地争奪ゲームです。
2009〜2010年に様々なゲーム賞にノミネートされましたが残念ながら受賞には至ってないようです(たぶん)。
5人までプレイできるやや上級者向けのゲームなので、西部劇好きの私としては迷わず購入したものの、なかなかチャンスが無く、最近になってようやくプレイに至りました。(拡張セットも買ったのにそっちはまだ導入できていません。)
ちなみに《Carson city》とはアメリカ西部ネバダ州の実在の街です。
◾️土地を開発してお金を稼ぐのが目的!
ゲームの目的は、未開発だったカーソンの町を開発するために土地を購入して、それを実効支配してお金を稼ぐ事です。たくさん土地を手に入れたから勝てる、というゲームではありません。
何となく西部の荒くれガンマンたちが土地を争って撃ち合い、土地を奪い合うゲームだと思っていましたが違いましたね(笑)
もう少しおとなしい《都市開発》と《経済発展》のゲームでした。
◾️ガンマンを派遣して仕事をさせよう!
ゲームの基本はいわゆる《ワーカープレイスメント》というタイプで、 自分の持つワーカー(労働者)駒を、色々な役割に早い者勝ちで派遣していってその効果を得ていくスタイルです。
もちろんこのワーカー駒は手下のガンマンたちですね。
そしてこのゲームの特徴ですが、ちょっと独特な部分が2つあるのです!
①派遣先は《アクション》と《土地》の2パターンある。
たいていのゲームはワーカー駒を置いて《アクション》を早取りするか、《土地やエリア》を確保するかどちらかですが、このゲームは何と両方やります。
《拳銃》を確保したり、《道路》を購入したり、《建物》を買ったり、といった《アクション》はたくさんあり、自分の計画をよく考えてそこに手下のワーカー(ガンマン)を派遣していきます。
ところがそれだけではダメなんですよ。広大な土地マップがあって、最初は空き地だらけなんですが(西部開拓時代ですから)、そこにワーカー(ガンマン)を派遣して『ここは俺の土地だ!』と宣言しなければなりません。
つまり、圧倒的にワーカー(ガンマン)駒の数が足りないので、何を優先してどう展開するか、かなり計画性を要求されます。
②ワーカー駒が同じ場所にかぶったら決闘で解決!
ほとんどの《ワーカープレイスメント方式》は先に駒を置いたほうがそのアクションの優先権を得ます。ところがこのゲームは、あとから同じアクションに割り込んでいいんです!同じアクションに重複したら解決方法は何と《決闘》!(これこそ西部劇!)
判定方法は、《保有している拳銃(リボルバー)の数》+《使ってないで残してあるガンマンの人数》+《サイコロ1個》です!
サイコロの要素があるので絶対勝てるとは限らないところが緊迫して面白い。
また、使わないでガンマンを残しておく意味があるので、その選択も悩ましい。
西部っぽい仕掛けだと思いました。(ちなみに運の要素を減らす選択ルールもありますよ)
◾️町の多彩な協力者たち
町の発展に住民の協力は欠かせませんよね。
というわけでこのゲーム、ラウンド最初に《協力者》を1人選んで味方に付けます。
《保安官》《銀行家》《用心棒》など全部で7人いて、どれもいい効果を持っており、これもまた悩ましい。
他のプレイヤーと同じ人は選べません。(ここは決闘できないのですね。穏やかに有力者を味方に付けましょう。)
これがけっこう特殊な効果を持っていて、さらに行動順や残金の処理もこれによって変動するので誰を選ぶかとても悩ましい。
というわけで、ここでもけっこう頭を使い駆け引きを考えなければならないのです。
◾️最後はお金で勝者が決まる!
いろいろ説明しましたが、結局最後はお金です。
土地を確保して、建物を建てていくと、その周りの建物の並びかたで一定の収入が入ります。町が発展してくるとどんどん収入が増えてくるわけです。
うまく建てれば高い収入になりますが、みんなの思惑がからみ合うのでなかなかうまくはいきません。
ここの計算はちょっと複雑でめんどくさいですが、いちおう分かりやすくする工夫はされていて、建物タイルを回していくとどちらを向いているかで今いくらの収入があるかを表示する事ができるのです。(分かりやすくていいんですが、いちいちあれこれ向きを変えなければいけないのがちょっと手間)
↓左の《銀行》は、まわり8マスに《家》か《炭鉱》があるとそれぞれ3ドルの収入。こうやって置くと今15ドルの収入だとみんなにわかる。(下にある赤いタイルはその土地の所有者を表します)あくまでも表示の例ね(今まわりに家はない)
右の《酒場》なら、まわり8マスに《家》がえるとそれぞれ5ドルの収入。こうやって置くと今10ドルの収入だとみんなにわかる。
という仕掛け。まあ慣れればどうって事ないですが、初心者には手伝ってあげないとツラいと思います。(1人の若手女性プレイヤーなどは、この処理を完全に私に丸投げしてました。まあいいんですけどね、苦笑)
◾️とても面白いですが、とても頭を使うゲームでした。
《協力者》の選択に悩み、ワーカー(ガンマン)の置き場所に悩み、収入額をいろいろ計算するので、考えることはかなり多いゲームだという印象です。
ルールを読んで、たったの4ラウンドしかないと知ったときは「短いなぁ」と思いましたが、結構時間がかかります。
公称では《90分》とありますが、5人でやってみて全然そんな時間内では終わりませんでした。
詳しいルールの説明に30分はかかり、ゲーム自体に3時間ほどかかりました。(どうしても皆長考になってしまいます)
でも理解して進めるとゲーム自体はとても盛り上がり、満足感たっぷりの作品でした。またやりたいです。
ただし、ジリジリと点差が付き、挽回は難しいゲームなので、そこは好みが別れるかもしれません。
ぜひぜひベテランメンバーを集めてチャレンジして欲しいと思います。
今度は拡張を入れてやってみようっと。
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